成年後見(民法7条、9条)

行為能力

制限行為能力者制度の条文です。
ここでは、後見人、保佐人、補助人などの制限行為能力者の定義、法律行為の効果について定めています。

しかし、後見人、保佐人、さらには補助人の違いについて、逆に記憶してしまったり、記憶が曖昧になってしまって、つい問題文のひっかけにつまづいてしまう人もすくなくありません。

かくいう私もそのひとりでした。

しかし、各々の条文の要件と効果、さらにはその意義をしっかりと理解すれば、決して難しい問題ではありません。
問題が難しく感じている人の原因は、つまるところ、要件・効果が曖昧になっているからだと思います。

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成年後見に関する要件・効果

 
7条と9条を組み合わせて公式にして記載します。

 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者

 家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者

(= 成年被後見人の法律行為

= 取り消すことができる。

例外 日用品の購入その他日常生活に関する行為

民法7条と9条の数式

 
要件効果を条文から導き出みるとどうなるでしょうか。
蛍光ペンを引きながら、条文を素読してみます。

成年後見に関しては、まず7条で成年被後見人に定義がなされています。

第7条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる

そして、9条で、7条で定義された成年被後見人の法律行為についての効果が定められています。

第9条(成年被後見人の法律行為) 
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

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意義

 
『事理を弁識する能力を欠く常況にある者』をどのように保護すべきか、という観点で考えてみます。
成年被後見人とは、事理弁識能力が、著しく不十分(被保佐人の要件)でもなく、不十分(被補助人の要件)でもなく、欠く状況にあるのです。
表意者は事理弁識能力を欠いているのですから、その法律行為については取り消すことができるのです。

試験問題でよくひっかけ出題される質問で、成年後見人から同意を得て、成年被後見人が行った法律行為、の設問があります。
成年被後見人の法律行為は、たとえ成年後見人から同意を得ていたとしても、取り消すことができます。

たとえ同意を与えたとしても、そのとおりに法律行為をする可能性は著しく低いであろう、という趣旨です。
未成年者の法律行為と比較した場合、17歳の少年の事理弁識能力と、成年被後見人の事理弁識能力を比較して考えると、成年後見人には、未成年者の法定代理人にはある同意権が無いことは、要件から考えてみるとよく分かると思います。

まとめ

 
制限行為能力者制度については、それぞれの要件をしっかりと把握して意義を理解すれば、解ける問題です。
要するに、要件効果を曖昧にしているから、問題文を見て悩んでしまうのです。

成年被後見人の要件のひとつは、『事理弁識能力を欠く状況にある者』ということです。
事理弁識能力を欠く状況にあるものの、法律行為についての保護の意義を理解してみてください。

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