無権代理(民法113条)

民法総則

民法99条の代理についての要件・効果を基本として、それ以降の条文で、その要件に瑕疵があった場合の効果について定めています。

>>代理(民法99条)についてはこちら

113条では、代理の要件のうち「代理人に有効な代理権があること」の要件を欠いた場合ついて、特に、代理人として行為をした者にまったく代理権が無かった場合について定めています。

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要件・効果

代理権が無い者が、代理行為をした場合の要件・効果は以下の通りです。
要件効果を、肯定的な文書で記載します。

 代理権が無い者の代理行為であること

 本人のためにする(顕名がある)ことを示していること

 本人が追認すること

= 本人に効力が生じる(追認がなければ効力は生じない)

民法113条の公式

要件効果を条文から導き出みるとどうなるでしょうか。
蛍光ペンを引きながら、条文を素読してみます。
条文自体はとてもシンプルです。

113条(無権代理)
代理権を有しない者他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない

公式にします。
要件は、代理の要件の一部が満たされていないという形式で記載します。
そして、そもそも無権限者の行為が素直に有効になるとは考えられないので、相手方保護の観点からみて、どのような要件を満たせば無権代理人の行為が有効になるのか、という観点で見てみます。

 代理権が無い者の代理行為であること

本人のためにすることを示してした意思表示であること

本人が追認すること

= 本人に効力が生じる

無権代理人の行為については全く保護する必要が無いが、当の本人が、後から認めたのであれば、代理行為は有効になると定めています。
本人が追認するという要件さえ満たせば、相手方を保護することができるという意義があります。

すなわち、無権代理人の行為を信じた相手方に対して、催告権と取消権を与えるということで保護しようという意義があります。

相手方の催告権

114条(無権代理の相手方の催告権)前段
前条(無権代理)の場合において、相手方は、本人に対し相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる

公式にします。

  代理権が無い者による代理行為の相手方であること

  本人に対しての催促であること

  返答までに相当の期間を定めること

= 追認を催告する権利を有する

114条(無権代理の相手方の催告権)後段
この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす

そもそも、無権代理行為が有効となる要件は、本人が追認することですから、追認の確答が無ければ有効になることもなく、拒絶したものとみなされるのも当然です。

相手方の取消権

そして、無権代理人の行為を信じた相手方を保護するための権利として取消権を与えています。

115条(無権代理の相手方の取消権)
代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

公式にします。

  代理権が無い者の代理行為の契約であること

  本人が未だ追認していないこと

= 契約を取り消す権利を有する

例外
・ 悪意:相手方が、契約の時に代理権を有しないことを知っていたとき

そもそも、本人が追認しなければ契約は有効にならないのですから、無権代理者の行為であることを知った相手方を保護するために、契約を取り消す権利を与えています。
ただし、本人が追認した後に取り消す権利を与えると、取引の安定性を欠くことになりますから、本人が追認した後は取り消しできません。
なぜなら、次の通り本人が追認したときは、原則契約のときに遡って効力を生じるからです。

本人が追認したときの効果

116条(無権代理行為の追認)
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない

公式にします。

  本人が追認したこと

  追認に際し別段の意思表示がないこと

= 契約時にさかのぼってその効力を生ずる
例外
第三者の権利を害することはできない

そして、無権代理人に対しては、相手方に対して法定で重い責任が課せられています。
>>無権代理人の責任についてはこちら

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まとめ

113条は、代理権が無い者の代理行為についての条文です。
無権限者の行為ですから、本人に効果が及ばないことは当然ながら、その相手方を保護するにあたり、どのような保護規定があるかという観点でみることが重要です。

相手方には、催告権、取消権を付与。そして、117条では無権代理人に対して責任を負う規定が定められています。

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