代理権消滅後の表見代理(民法112条)

民法総則

民法112条は、表見代理が成立する要件・効果を定めた条文です。
112条は、表見代理のうち、代理人の代理権が消滅した後の代理行為についての要件・効果を定めています。

99条に定める代理についての要件・効果を基本として、それ以降の条文で、その要件に瑕疵があった場合の効果について定めています。
112条はその一部です。

そもそもの、基本となる代理(99条)についての要件効果はこちら

表見代理の基本、無権代理との相違などについてはこちら

表見代理が成立する場合とは、一定の要件を満たせば、満足な代理権が無くとも相手方を保護しようという場合ですから、なぜその要件が必要かという観点で見ると良いと思います。

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代理権が消滅する場合とは

代理権の消滅事由は、民法111条に規定されています。

111条(代理権の消滅事由)
代理権は、次に掲げる事由によって消滅する
① 本人の死亡
② 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2項 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する

代理権の消滅事由をまとめます。

  本人または代理人の死亡したこと

  代理人が破産手続き開始を開始したこと

  代理人が後見開始の審判を受けたこと

  委任の終了(委任による代理権の場合)

112条は、これらの事由が発生した後に、かつて代理権のあった者による代理行為があった場合の要件・効果について定めています。

要件・効果

代理権消滅後の表見代理が成立する場合の要件・効果は以下の通りです。

 かつてあった代理権が代理行為当時には消滅していたこと

 かつての代理権の範囲内の行為であること

 相手方が善意・無過失であること

= 本人に効力が生じる(表見代理が成立する)

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民法112条の公式

蛍光ペンを引きながら、条文を素読して公式を導き出します。

112条(代理権消滅後の表見代理)
代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

条文自体は短文で、とてもシンプルです。
つまるところ、相手方が善意・無過失である場合には、相手方を保護するということです。
他の、かつての代理権についての要件は、それを満たさないと無権代理や権限外の行為による表見代理が適用される可能性があるからです。

意義・まとめ

112条は、代理権消滅後の表見代理についての条文です。
この条文では、相手方の善意・無過失をその要件としてを求めています。

表見代理の成立に関して、代理権授与の表示、権限外の行為、および代理権消滅後の代理行為について、すべて相手方の善意・無過失を要件としています。

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