追認(民法122条、123条、124条)

民法総則

民法122条から124条までは、取り消すことができる行為の追認の要件、方法について定めています。
追認は、取り消すことができる行為を、確定的に有効にする行為のことです。
簡単に言うと、取消しの反対の行為をするということです。

取消しができる行為や追認できる行為など、その用語の定義をあいまいにしていると、問題を解いているときに頭が混乱してしまいます。
しかし、その要件・効果をしっかりと把握していれば、難しい解釈ではありません。

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追認の要件・効果

追認の効果の公式は以下の通りです
122条から124条までを、取りまとめて公式を導き出しています。

  追認権者による意思表示であること(122条、123条)

  追認が、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にされること(124条1項)

  追認権者が、その行為が取消し得るものであることを了知していること(124条2項)

= 意思表示は有効になる
= 以降は取り消すことができない

民法122条、123条、124条の公式

要件効果を、蛍光ペンを引きながら、条文から導き出してみます。
追認についての要件は、民法122条、123条および124条から導き出しています。

122条(取り消すことができる行為の追認)
取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない

追認は、取消しの反対の行為をすることですから、取消し権者による追認でなければ追認の効果はありません。

123条(取消し及び追認の方法)
取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。

124条(追認の要件)
1項 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2項 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
3項 前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

追認の要件を定めた条文ですが、124条に記載されている要件が、一読しただけでは少し分かりにくいと思います。


以下に解説します。

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取消しの原因となっていた状況が消滅した後とは

取消しの原因となっていた状況が消滅した後についての具体例は、未成年者を想定すると分かりやすいと思います。
未成年者は、自らが成年となった時点で、制限行為能力者である状況が消滅します。
ですから、未成年者のときに行った法律行為は、自らが成年となってから追認できるということです。

取消しの原因となっていた状況には2つあります。
ひとつは、行為制限能力者による意思表示。
もうひとつは、詐欺または脅迫による意思表示です。

両者の原因となっていた状況とはそれぞれ、行為能力者である状況、詐欺または脅迫を受けている状況です。
ですから、これらの状況が消滅した後とは、行為能力者でなく行為能力者となったとき、詐欺または脅迫の状況を脱したとき、という意味です。

追認権者がその行為が取消し得るものであることを了知していることとは

追認するという行為は、取り消しできる行為を了知していなければならないということは、各々の取消権者について共通です。
なぜこの条文があるかというと、成年被後見人については、さらに保護する必要があるためです。

124条3項は、条文にも記載通り、成年被後見人のみについての要件です。
成年被後見人が、取消しの原因となっていた状況が消滅した後、すなわち行為能力者になった時点で事理弁識能力を得たことになります。
しかしながら、成年被後見人のときに行った行為は、事理弁識能力を欠いた状況で行った行為なのですから、事理弁識能力が回復したからといって、当時の行為を了知していない可能性があるということになります。


行為を了知していないにもかかわらず、取消権を放棄することとなる追認をするということによって、思わぬ不利益を被る可能性もあります。
ですから、成年被後見人に関しては、当時の行為を了知していなければならないという条文によって保護しているのです。

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意義・まとめ

追認は、取り消すことができる行為を、確定的に有効にする行為のことです。
取消権を放棄することにより、当事者双方の取り引きの安定性を保つことができるという趣旨です。

しかしながら、取り消しうる行為を了知しているという要件により、一部の制限行為能力者を保護しているのです。

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