消滅時効(民法167条)

時効

民法では、大きく取得時効消滅時効の2つに分けられます。 このうち消滅時効について、要件をまとめてみます。

消滅時効の要件・効果

消滅時効にかかるのは、債権(167条1項)と所有権以外の財産権(167条2項)です。 所有権以外の財産権とは、地上権、永小作権、地役権などのことです。 消滅時効の要件も、取得時効と同様、まず時効(総則)の要件を公式として把握して、それぞれに要件を代入していきます。 時効総則の要件の公式は以下の通りでした。

  一定の事実状態があること

  その状態が一定期間継続すること

(= 時効の完成)

  当事者が時効を援用すること

= 時効の効力が生ずる

つまるところ、時効が完成した状態で、当事者が時効を援用すると、時効の効力が生ずることになります。 ですから、消滅時効の場合、この時効総則の要件の変数である、

  • 一定の事実状態とはなにか(起算点はいつか?)
  • 一定期間継続とはなにか

を、場合分けして、どの状態のときに時効が完成するかを当てはめれて考えれば良いのです。 そして、消滅時効の場合には、

  • 法定中断のないこと

も一定の事実状態の要件に加えます。

消滅時効の起算点と中断

端的に、消滅時効の起算点は、条文にズバリと出ています。
166条(消滅時効の進行等)
1項 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する
権利を行使することができる時が起算点です。
そして、時効が中断しない限り期間は進行していきます。
 
債権者と債務者の関係では、回収したい債権者は、如何に時効を中断させるか、逃げ切りたい債務者は、如何に時効を進行させるか、が問題となる場合があります。

債権の消滅時効(167条1項)

167条1項の条文を素読してみます。

167条1項(債権等の消滅時効)
債権は、十年間行使しないときは、消滅する

一定の事実状態

  • 行使できる債権を持つこと
  • 権利不行使の状態が継続すること
  • 時効の中断事由がないこと

一定期間継続

  • 10年間債権を行使しないこと

これに、当事者が時効を援用するという要件が加われば、債権が消滅するという効果が生じます。

債権または所有権以外の財産権の消滅時効(167条2項)

167条2項の条文を素読してみます。

167条2項
債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する

一定の事実状態(債権と同じ)

  • 行使できる債権を持つこと
  • 権利不行使の状態が継続すること
  • 時効の中断事由がないこと

一定期間継続

  • 20年間占有を継続すること

これに、当事者が時効を援用するという要件が加われば、債権または所有権以外の財産権が消滅するという効果が生じます。 宅建や行政書士試験にでてくる具体例としては、抵当権の消滅時効などがあります。

消滅時効の要件・効果(まとめ)

時効の要件は、時効が完成すること当事者が時効を援用することです。 時効が完成するとは、一定の事実状態があることと、その状態が一定期間継続することです。 このうち、一定の事実状態は、債権や所有権以外の財産権でも、同様に以下の通りです。

  行使できる債権を持つこと

  権利不行使の状態が継続すること

  時効の中断事由がないこと

= 一定の事実状態がある
そして、その状態が一定期間継続するという要件の一定期間については、場合分けが必要です。

一定期間について、債権の場合、

  10年間債権を行使しないこと

= 一定期間継続している
 
一定期間について、債権または所有権以外の財産権の場合、

  20年間債権を行使しないこと

= 一定期間継続している
 
 
これで、公式の要件が完成します。
消滅時効の公式は、取得時効と同様に、あくまで以下の通りです。
 

  一定の事実状態があること

  その状態が一定期間継続していること

  当事者が時効を援用すること

= 時効の効力が生ずる
 
時効民法総則
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